EN
2026.09.29
当館の展示を見たあとに、あるいは見る前に、行くおすすめの場所(弘前れんが倉庫美術館)

自然や史跡に美味しいお店まで、弘前にはおすすめの場所が無数にありますが、ここでは美術館の常設作品とゆかりの深い大平山長勝寺を紹介します。

弘前城の南側には、曹洞宗のお寺が並ぶ禅林街があります。その西端に位置するのが津軽家の旧菩提寺である太平山長勝寺です。国の重要文化財に指定された三門をくぐると、清々しい境内に向かって左手に蒼龍窟という建物があります。朝9時から16時まで自由に拝観できる蒼龍窟では、見事な厨子堂に納められた三尊像と、鮮やかな彩色の残る五百羅漢や十六羅漢の乾漆像に出会うことができます。

かつては岩木山百沢寺大堂(現岩木山神社)にあったとされるこれらの像は、明治時代初期の神仏分離令によって長勝寺へ移されてきたそうです。岩木山は、古くから山岳信仰の対象であり、弘前藩の鎮守の山ともされました。

こうした弘前の歴史の一端と、豊かな自然に触発された作品が、弘前れんが倉庫美術館2階の窓辺に常設展示されています。佐藤朋子による言葉を使った作品《ひろさき縦覧場(じゅうらんじょう)》(2025年)です。

「岩木山、いわきやま、津軽富士には、人間ではなく、あんじゅがいます。」《ひろさき縦覧場》より

蒼龍窟では、この作品に登場する「あんじゅ」を見ることもできます。

現代アートの刺激を受けた後に、津軽地方の古刹で歴史の豊かさに想いを馳せる、そんな贅沢な時間を過ごすことのできる場所です。

弘前れんが倉庫美術館 館長 木村絵理子

太平山長勝寺

青森県弘前市西茂森1丁目23-8

太平山長勝寺、蒼龍窟の中(筆者撮影)