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オセアニアの造形、福本繁樹/福本潮子の作品から、布による表現の可能性を探る展覧会

「発現する布ーオセアニアの造形と福本繁樹/福本潮子」

2023年4月15日(土)~6月18日(日)
国際芸術センター青森

本展では、南太平洋メラネシアのタパ(樹皮布)や編み布など、織物以前から伝わる手仕事による布と、オセアニアと日本の造形論への洞察を通して「染め」にしかできない表現を追求してきた福本繁樹、そして藍のもつ透明感や精神性を美術へと昇華し、近年では地方の生活と労働の中で作られ使われた古い自然布を用いた作品展開を見せる福本潮子、3 つの作品群によって、布でしかなし得ない表現、ひいては表現媒体としての布の可能性について考えていきます。
福本繁樹は、戦後の経済成長や海外渡航の自由化などによる「探検の時代」を背景とした、1969 年からの京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)による派遣で、パプアニューギニアの「民族美術」を目にして衝撃を受けました。これ以来、仮面や彫像ばかりでないオセアニアの造形、特に土器や染織、装身具や貨幣に着目し、その後十数回のフィールドワークを重ね、著作として日本へ紹介すると共に、独自の染織文化論を発展させてきました。また福本潮子は、パプアニューギニアに3 回同行し、土地に根ざす人々の造形が自然の営みの中から生まれる様子に遭遇したことで、翻って日本の伝統に目を向け、藍染めに出会い、現在もその可能性を探求し続けています。
八甲田山麓の自然の中に位置する青森公立大学 国際芸術センター青森。古くからの豊かな自然や、縄文をはじめ数多の時代を生きた人々の息吹が身近に感じられるここ青森で、本展が自然と人間のかかわりによって生まれたかたち、生きていく上で欠かせない布から発露する根源的な表現について思いを馳せる機会となることを願っています。

展覧会「発現する布—オセアニアの造形と福本繁樹/福本潮子」