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2021.11.01
風土に根差す
気象 1998.11.6 射影/村上善男

弘前大学創立50周年記念会館のステンドグラス作品

「民俗の最深部は、現代美術の最前線に通底する。」
美術家、村上善男(1933-2006)の作品には風土に根差すものや地縁などが存在し、制作においての緻密な計算により、特有の効果と魅力を生み出している。

弘前大学創立50周年記念会館 
提供 津軽に学ぶ会

弘前れんが倉庫美術館の企画展「りんご前線-Hirosaki Encounters」(2021.10.1~2021.1.30)では、作品を生み出す「土壌」(テロワール)としての弘前の地に軸足を置いている。
本展では村上の作品も展示されている。ステンドグラスの青の美しさが際立つ写真パネル《気象 1998.11.6 射影(西の窓)》が独特な存在感を放つ。
村上が教授を務めた弘前大学で、1999年に開館した弘前大学創立50周年記念会館に設置されているステンドグラス作品を柴田祥が撮影した。
開館に先立ち、建物の安全祈願祭が行われた1998年11月6日の気象図をもとにした作品である。

村上善男《気象 1998.11.6 射影(西の窓)》1999年
弘前大学創立50周年記念会館 
撮影 柴田祥
村上善男《気象 1998.11.6 射影(東の窓)》1999年
弘前大学創立50周年記念会館 
撮影 柴田祥

村上の言葉をここに。

「世界の中の日本と日本の北方、すなわち弘前大学を含む北方気圏をイメージの色彩として表現し、キャンパスに差し込む四季の光を受けて、漣(さざなみ)となるステンドグラスの大楕円窓は、日々新しい弘前大学を象徴したものです。」

この地が育んできた風土に学び、風土と生きる。弘前大学の学生たちへの活躍の願いを込めた作品である。

弘前大学創立50周年記念会館

住所:青森県弘前市文京町1
電話番号:0172 36 2111
【受付時間】月曜日~金曜日 10:00~17:00 
https://www.hirosaki-u.ac.jp/jimu/soumu/kaikan/

「りんご前線-Hirosaki Encounters」

会期:2021年10月1日(金)〜2022年1月30日(日)
会場:弘前れんが倉庫美術館
住所:青森県弘前市吉野町2-1
電話番号:0172 32 8950
開館時間:9:00-17:00 
休館日:火曜日 (祝日の場合は翌日に振替)、年末年始
https://www.hirosaki-moca.jp/