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蔦七沼のひとつ菅沼 撮影:サトウユウジ
2021.11.01
蔦七沼の息吹とともに
千年の秘湯、蔦温泉

文豪大町桂月ゆかりの温泉宿

南八甲田の中腹、深いブナの森に抱かれた一軒宿・蔦温泉旅館。
となりあうようにある蔦七沼は、蔦沼、鏡沼、月沼、ひょうたん沼、長沼、菅沼、赤沼の7つの沼の総称。春の緑やわらかく、夏の緑は力強い。秋は赤や黄に萌え、冬は美しい白色。そこに空と沼の色がマッチングする。ブナ林に囲まれているため風が防がれ、静寂を保った水面に森の景色が反射しやすい。その上下シンメトリーの不思議な光景を目にすることもしばしばである。写真に写せば、どちらが水面かわからなくなるほどだ。

この地には平安時代から温泉があったとされる。名の由来は諸説あるが、「木に絡むツタ植物が豊富だった」というのが有力。
明治30年(1897)に、温泉宿としての営業がはじまり、今に至る。今も使用されている木造2階建の本館は、大正7年(1918)に建てられたもの。

提供:蔦温泉旅館

蔦温泉の特徴は、源泉の上に浴槽があること。ブナ材の湯船の底板から、空気に触れていない「生の湯」が湧き出している。

明治から大正にかけて活躍した文人、大町桂月が十和田湖や奥入瀬渓流と共に愛した場所であり、その素晴らしさは、多くの紀行文によって紹介され、この地を全国に伝えた。晩年は、蔦温泉に居住、緑に包まれるにように大町桂月の墓がある。

蔦温泉旅館

住所:青森県十和田市奥瀬字蔦野湯1
電話番号:0176 74 2311
入浴時間(日帰り):10時~16時(込み具合などにより変更の場合もあり)
入浴料(日帰り):大人800円 小学生500円
https://tsutaonsen.com