江戸時代から親しまれている湯治場
酸ヶ湯といえば、混浴のヒバ千人風呂が有名。浸かった時、八甲田の雄大な森に包まれていることを感じるだろう。
開湯は貞享元年(1684)とされる。狩人・小山内佐ヱ門四郎が、以前仕留め損なった鹿の傷が回復しているのを不思議に思い付近を探索したところ、治癒力の高い温泉が湧いているのを見つけた。その湯は「鹿湯」と呼ばれ、やがて「酸ヶ湯」へと変化したのだという。
八甲田山中深くにありながらも、江戸期から湯治場として地元の人々に親しまれてきた。その効能、温泉の豊富な湧出量などの選定条件から昭和29年(1954)には「国民保養温泉地」第1号の指定を受けている。
酸ヶ湯ゆかりの芸術家に板画家・棟方志功がいる。酸ヶ湯を心から愛し、湯治をしながら多くの作品を残した。作品は現在も酸ヶ湯温泉や姉妹館・八甲田ホテルの館内に飾られている。
“古き良き伝統文化”の混浴を守る目的で平成17年(2005)に発足した「混浴を守る会」の永久名誉顧問、三浦敬三も八甲田の山をこよなく愛した。子息の三浦雄一郎も「八甲田は我が心のふるさと」と語り、たびたび酸ヶ湯の湯を楽しみに訪れている。
酸ヶ湯温泉
住所:青森県青森市八甲田山1
電話番号:017 738 6400
入浴時間(日帰り):ヒバ千人風呂(混浴):7時〜17時30分(8時〜9時は女性専用)、玉の湯(男女別):9時〜17時
入浴料(日帰り):1000円(貸しタオル付)
http://www.sukayu.jp