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2026.06.09
当館の展示を見たあとに、行くおすすめの場所(青森県立美術館)

 青森県立美術館の隣には,国内最大の縄文遺跡である三内丸山遺跡があります。美術館のあとは、ぜひ、こちらの見学をお勧めします。

  三内丸山遺跡には二つの謎があります。一つはあの巨大な六本柱が何に使われたか? そしてもう一つは交易です。この遺跡からは、翡翠や黒曜石など、この地域では産出されないものが出土されています。原産地は遠く長野県や新潟県、あるいは北海道であることも分かっています。しかし、これが何と交換されていたのかが謎なのです。

 考古学者の推測では、食料と交換されたのではないかと考えられています。しかし私は、どうも違うのではないかと思うのです。遠来の人々は、三内丸山の祭りにやってきたのではないかと。

 出土した土器の付着物の解析から当地では酒の醸造が行われていたことも分かっています。三内丸山は五十種前後の魚の骨も見つかっています。当時、この地は最先端の醸造や漁労の技術を持つとともに、おそらくファッションや芸能においても北日本の中心地であっただろうことは容易に想像できます。

 そう考えると六本柱の謎も解けるのではないでしょうか。あれはただのタワーです。人間は高いところに登りたいから巨大なタワーを作った。翡翠や黒曜石は、そこに登るための観覧料、入館料です。

 この仮説が正しければ三内丸山遺跡は、世界最古の観光遺跡とも言えるのです。

  ぜひ、青森県立美術館と三内丸山遺跡をセットでご覧いただくことをお勧めします。どちらを先に見るかは、皆さんの関心次第ですが。

 青森県立美術館館長 平田 オリザ